スプリンターズステークスの優勝馬の傾向を探すのは実は非常に難しいです。GⅠレースでは優先出走権を付与されるトライアルレースで成績を残した馬がそのまま優勝する、というケースも多々あるのですが、スプリンターズSの場合はそれがあてはまりません。
トライアルにはキーンランドカップ、セントウルステークスの2レースが用意されており、それぞれの優勝馬に優先出走権が与えられます。過去10年を振り返ってみると、優先出走権を与えられた競走馬中、優勝を果たしたのは2011年キーンランドCからのカレンチャンのみです。
あのロードカナロアでさえもセントウルSにおいては2年連続2着から、スプリンターズSを優勝するという流れを繰り返しました。札幌のキーンランドCと、阪神のセントウルSでは、距離が同じといえども中山のスプリンターズSの参考にするのは難しいというのでしょうか。前哨戦で凡走しながらスプリンターズSで優勝する、という流れは2014年のスノードラゴン、2009年のローレルゲレイロがやってくれています。
傾向として前走の成績が参考にならないのであれば、何を参考とするべきでしょうか?先ほど阪神、札幌、中山とコースの違いを引き合いにだしましたが、前走の走りが傾向として参考にならないのであれば、同じ中山のコースでの成績が参考になるのではないでしょうか。
調べてみたところ、過去10年の優勝馬によるスプリンターズステークス以外の中山での成績をまとめてみると[6-6-1-3]とやはり中山適性が高い馬が強い、というデータが出てきたのですが、残念なことにこの内の[5-4-1-1]と大部分の成績占めるスノードラゴンが優勝したのは2014年”新潟開催”のスプリンターズS、なおかつ殆どがダートであり、芝コースは2着2回のみ。参考となる数値は結局スノードラゴンを省いた[1-2-0-2]という結果でした。勝率20%、連対率60%と数値は確かに立派ではありますが、10年分9頭の戦績を組み合わせたにも関わらず分母があまりにも少なすぎ、参考にするのは難しいように思いました。
数少ないデータを元に予想を組み立てるならば、サクラゴスペルの中山での戦績[3-1-0-2]は非常に面白いですが、2013年のスプリンターズSに出走し11着と惨敗しているのも気になります。今年はオーシャンSと京王杯スプリングCと重賞2つもとっているので当たり年として見ることもできます。人気があまり出そうにないのもオッズ的にオイシイかもしれませんね。