2016年スプリンターズステークスはビッグアーサーがどう勝つかに興味集まるレースといっても過言ではないだろう。今年春の本格化から圧倒的なパフォーマンスを見せるビッグアーサーに加え、立ちはだかる壁となるストレイトガールもハクサンムーンも引退。こうなればもはやビッグアーサーの失敗待ちという他ない。
とは言え、筋書き通りにことが進まないのが現実であり、ことさら競馬には当てはまる。ビッグアーサーを止められる対抗馬といえば、今回のスプリンターズステークスではミッキーアイル(5牡・音無/栗東)にスポットが当たっている。高松宮記念では昨年3着、今年は2着。スプリンターズステークスにおいても昨年4着と、惜しくも戴冠を逃して入るものの、コンスタントな好位につけている実力馬。
ここはビッグアーサー1強ムードに待ったをかけてもらいたいところだが、そんなミッキーアイルに黄色信号が灯っている。まずは前走が春の高松宮記念で、半年の休養明けでかるく鉄砲気味なこと。もちろん休養明けでも何の苦もなく走る馬もいるにはいるが、調教の内容を見る限り、その期待は薄め。一週前の追切では[52.1-38.0-25.2-13.1](一杯)と、悪くはないものの、GⅠ級としては少し物足りない印象。全体で見れば4F52.1は悪くはないが、本番で4Fもの距離を自分のペースで走ることなどは想定しづらく、やはり上がり1F13.1の遅さのほうが悪目立ちする。
残された追切で如何に仕上げてくるか
スプリンターズステークス出走馬とくらべても馬格は間違いなく上位な馬。叩いた強みがないぶん不利感じるものの、本番までの残された短い調教の内容次第ではひと化けする可能性も捨てきれない。現段階ではビッグアーサーの相手役としては力不足であると言わざるをえないものの、ひとえに切り捨てるのは当日まで待ってもいいだろう。